生命保険金は,死亡後の遺族の生活保障等のために締結された生命保険契約に基づき,受取人が固有の権利として取得するものです。
そのため,生命保険金は相続財産には含まれないとされています。
そして,
① 相続人のうちの特定の人が受取人として指定されている場合
② 特定の受取人が指定されておらず単に「相続人」とされている場合
③ 受取人が指定されていない場合(この場合,保険契約の約款に従って受取人が指定されます。)
であっても,受取人は相続財産としてではなく,固有の権利として保険金請求権を取得することとされています。
ただし,生命保険金であっても,「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,特別受益に準じて持戻しの対象となる。 」(最高裁平成16年10月29日決定)とされている点は注意が必要です。